PTD-DBM:どんなペプチドで、何が裏づけられているのか

プロ向けラインHAIRREGEONの有効成分です。作用の説明のされ方、特許と論文が担保する範囲、そして裏づけの外に残るものを整理します。

工場が有効成分の名前を挙げたとき、バイヤーには別々の問いが二つ生まれます。ひとつは、この物質が何をするのか。もうひとつは、仕入れにとってはるかに重要な問いで、その主張を何が支えており、その裏づけが実際に売る製品にどれだけ近いのか、というものです。韓国企業CK Regeonのプロ向けラインHAIRREGEONの有効成分PTD-DBMを例に見ていきます。

このペプチドの働き

同社の説明では、PTD-DBMはCXXC5というたんぱく質を介して働きます。同社はこのたんぱく質を、頭皮でWntシグナル伝達を抑える因子として説明し、その経路を毛髪の成長と結びつけています。ペプチドがCXXC5に競合的に結合すると、その抑制が外れます。

プロ向けラインでは、このペプチドは単独では働きません。PKM2という酵素の活性化剤であるMetaActと組み合わされています。同社はこの組み合わせをこう説明します。一方がブレーキを外し、もう一方がシグナルそのものを強める、と。バイヤーにとっては、ラベルの名称ひとつで処方を判断できないという意味になります。二つで働くものであり、その半分だけを差し替えることはできません。

実際に裏づけられているもの

この技術には性質の異なる二種類の裏づけがあり、混ぜないほうがよいものです。ひとつは特許で、米国、欧州連合、韓国、中国に五件が登録され、WNT Hairの組成とペプチド自体を対象としています。特許は組成の新規性と権利を確認しますが、完成品が効くことを確認するものではありません。

もうひとつは論文です。CXXC5への競合的結合の仕組みは査読誌に掲載されており、その中にはJournal of Investigative Dermatologyも含まれます。論文は、その仕組みが研究され、査読を経て掲載されたことを確認します。販促資料よりはるかに重いものですが、それでも仕組みの根拠であって、棚の上の結果の根拠ではありません。

裏づけが覆わない範囲

「仕組みが論文に載っている」と「製品が消費者に結果をもたらす」の間には距離があり、その距離を埋められるのは、その濃度のその製品についての臨床試験だけです。確認すべきはまさにそこです。完成品で試験したのか、被験者は何名か、何週間か、何で測ったのか。

規制面は別に見る必要があります。多くの国で発毛や抜け毛に関する表現は法律で制限されており、ラベルに書ける文言は市場ごとに異なります。処方が同じでも、ブラジル、欧州連合、韓国のパッケージに印刷できる内容は変わります。

仕入先に確認すること

少なくとも四つです。原料ではなく完成品でのペプチド濃度。供給形態:HAIRREGEONは粉末200ミリグラムと溶解液5ミリリットルの二剤式で、この形態は使用前の混合を意味し、保管条件と担当者の教育が別途必要になります。まさにその製品についての試験報告書。そして、御社の市場向けに同社が書面で裏づけられる表現の一覧。

このいずれかに「営業秘密です」と返ってきても、その仕入先をやめる理由にはなりません。比較表に空欄として記録し、価格に織り込む理由になります。